ひとりぐらし記:2

台所の整理をしている。

狭すぎてものが置けず、創意工夫せざるをえないのである。それにしても「〜せざるをえない」という言い回しを「〜せざるおえない」と勘違いし、果ては「〜せざる負えない」との当て字まで作ってしまう例をしばしば見る。普段はそういう間違いを犯さないようなインテリ層でも結構やる。多少、文語調の言葉だから仕方ないのかもしれないが、動詞の「する」・助動詞の「ず(不)」・助詞の「を」・動詞の「得る」・助動詞の「ない」が組み合わさり、「しないことはできない」をあらわす表現であるわけで、「を」が「お」になることはありえない。そもそも「ざる」は連体形なので、もし「負えない」だとしたら、前は「ざり」になるんだね。

話がずれたが、限られた空間の有効活用を強いられているわけである。幸運なことではあるが、これまでそのような努力をしたことが一切なかったので、何をどこに置くとかこれを使うとあれがしまえるとかまったく何も思いつかずに難儀した。全部インターネットに頼った。100均に出かけてつっぱり棒だのフックだの買ってきて、コンロ上空に調理器具をぶら下げたり、壁にティッシュ箱をぶっさしたりした。なんとか、巨大な段ボールのなかみは空になり、ずいぶん料理がしやすくなった。それでも作業スペースはほとんどないのだが。カウンター買うかな…。

あとは、水回りの掃除をおそらく常人より入念におこなっている。掃除も嫌いなら汚い場所を触るのも嫌いだるが、それがいきすぎて掃除をていねいにすることになった感じ。ちなみにポリエチレンの手袋を大量に購入した。

洗濯も初めて遂行。中学生のころに「軽いぜんそく」と診断されたことがあり、すっかりそんなことを忘れていたが、おろしたてのシーツとベッドカバーが病の記憶を呼び戻してくれたらしい。ろくに眠れないので、早起きして洗濯機を回した。集合住宅に住むのが初めてで、何時に洗濯していいとかわからないから、すこし前に向かいの家が洗濯物を干していた時間を参考にした。まあ、壁が厚いから、部屋にいても他者の生活音が聞こえたことはないから平気だと思うけれど。

一口コンロに限界を見出しつつある。冷たいもの1〜2皿(酢の物とか)とあたたかいもの1皿という食卓がつらい。実家ではいつも味噌汁を飲んでいた…。保温なべでも買おうかと思ったけれど、考え直してもともとある炊飯器とレンジを活用する方針に。

実家ではこんなこと考えもしなかった。当然である。でもこれって何かの修行というか、何かの役に立つかというと、そういうわけでもないと思う。実家でのんびり暮らしながら絵を描いたりするのは素敵だし、それでいい作品が生まれることもあるだろう。もっと言えば、すべてのことは、何の修行にもならないと思っているのだが…。

てか、NAVERまとめのSEOはすごいなあ。中身は玉石混合だけど。